テニス肘は子どもにも起こる?
原因と予防の考え方
記事は一般的な情報です。診断や治療の代わりではありません。痛みがあるときは、医療機関を受診してください。
この記事のポイント
- 肘に負担が集まる理由
- 練習の中でできる予防の習慣
- 受診を考える目安
肘の外側が痛くなる、いわゆるテニス肘は、大人の病気というイメージがあるかもしれません。ジュニア選手でも、肘に痛みが出ることはあります。この記事では、肘に負担が集まる理由と、練習の中でできる予防の考え方をまとめます。
肘が痛いとき、まず知っておきたいこと
子どもの骨は、大人と違い、成長軟骨という弱い部分があります。肘の痛みの原因は、腱への負担とは限りません。自己判断で「テニス肘」と決めず、痛みが続くときは、医療機関に相談してください。
肘の外側と、前腕の筋肉

この図で見るところ
- 肘の外側の骨の出っぱり(外側上顆)に、手首を反らす筋肉が付いています
- ラケットを握る・打つたびに、この場所に引っ張る力が加わります
- 痛みが出やすい場所を、図で確認してください

肘に負担が集まる理由
ラケットを振るとき、力は足から腰、体幹、肩、腕へと伝わります。身体の使い方に偏りがあると、ボールの衝撃を受け止める役目が、肘に集まりやすくなります。
ラケットを振るときの、力の伝わり方
- 足で、地面を踏む力のスタート
- 股関節・腰力を上に伝える
- 体幹身体をひねって、力をまとめる
- 肩・肩甲骨腕を振る土台になる
- 肘・手首・ラケットボールに力を伝え、衝撃を受け止める

| 肘に負担が集まりやすい状態 | 起こりやすいこと | 見直したいこと |
|---|---|---|
| 股関節や体幹がうまく使えず、腕だけで打っている | 腕の力で、ボールを補おうとする | 股関節・体幹を動かす準備 |
| ラケットを、強く握りすぎている | 前腕や肘に、力みが続く | 握りの強さ |
| 練習量が急に増えた | 疲れがたまり、身体の使い方が乱れる | 練習量の増やし方、休養 |
テニスのケガを整理した研究では、ケガは下肢に最も多く、次いで上肢、体幹の順だと報告されています(Pluim ら、2006)。肘を含む上肢のケガも、決して少なくありません。
今日からできる予防
今日からできる予防
- 1
打ち始める前に、準備をする
股関節・肩・体幹を動かす。
ウォームアップ
- 2
握りの強さを確認する
力を入れすぎていないかを、ときどき確かめる。
握り
- 3
肘の違和感を、毎日確認する
練習量が増えた週は、特に気をつける。
セルフチェック
- 4
練習のあとに、ゆっくり伸ばす
腕や肩を、反動をつけずに伸ばす。
クールダウン

受診を考える目安
次のような場合は、練習を続ける前に、医療機関に相談してください。
練習を休んで、受診を考える目安
- 肘の痛みが、数日たっても続く
- ものを持ち上げるときや、ラケットを握るときに痛む
- 肘が腫れている、または動かしにくい
- 痛みをかばって、フォームが変わっている

この記事は一般的な情報です。診断や治療の代わりにはなりません。
用語メモ
- 外側上顆炎(がいそくじょうかえん)
- 肘の外側の骨の出っ張りに付く腱が痛む状態を指す、いわゆるテニス肘の医学的な呼び名です。
- 成長軟骨
- 子どもの骨の端にある、骨が伸びるもとになる軟骨です。大人の骨よりも弱い部分があります。
よくある質問
子どもでも、テニス肘になりますか?
ジュニア選手でも、肘に痛みが出ることはあります。ただし、子どもの骨には成長軟骨という弱い部分があり、原因が腱への負担とは限りません。自己判断せず、痛みが続くときは医療機関に相談してください。
肘が痛いとき、練習は続けてよいですか?
痛みが数日たっても続く、ものを持ち上げたりラケットを握ったりすると痛む、腫れや動かしにくさがある場合は、練習を続ける前に医療機関に相談してください。
肘のケガを防ぐには、何をすればよいですか?
打ち始める前に股関節・肩・体幹を動かす、握りを強くしすぎない、練習量が増えた週は肘の違和感を毎日確認する、練習のあとに腕や肩をゆっくり伸ばす、といった習慣が考えられます。
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